山口尚秀(なおひで)選手は、水泳男子100m平泳ぎ/SB14(知的障がい)の世界記録保持者である、パラ競泳選手です。
2021年に行われた東京パラリンピックでは、水泳男子100m平泳ぎで、金メダルを獲得している、大注目の選手です。
山口直秀選手は、3歳の時に自閉症と診断されています。
今回は、パリパラリンピック2024でもメダルが期待されている、山口尚秀選手の水泳との出会いについてや生い立ち。
ご家族のことなども、調査してみました!!
■山口尚秀の家族情報!
■山口尚秀の出身や生い立ちは?
■山口尚秀の水泳との出会い
■山口尚秀のプロフィール
山口尚秀の家族情報!
ここでは、山口尚秀選手のご家族についてご紹介します。
山口尚秀選手の家族構成は、
・母の由美さん(55歳)
・姉の智子さん(27歳)
※年齢は2024年8月現在
の、4人家族です。
ご両親ともに教員として働かれているそうです。
自閉症と診断後の両親を支えてくれた祖父母
山口尚秀選手が幼少期の頃、子育ては大変なものだったそうです。
山口尚秀選手は、3歳の頃に、「知的障がいを伴う自閉症」と診断されました。
ご両親はショックを受けて、悩まれました。
しかし、そのご両親を励まし、親子を救ったのは祖父母でした。
ショックを受けた両親を
「尚くんは絶対いい子やから」
と励まし続けた祖父母に毎日のように健康施設に連れられ、自然と泳ぎを覚えたという。
ご両親も、祖父母のその言葉は、大きな励みになったと思います。
ちなみに、ご両親ともにそんなに大きな方ではないということなのですが、山口尚秀選手の身長は187cm。
大きく、すくすくと成長したのは、ご本人いわく「祖母が、栄養たっぷりのご飯を作ってくれたおかげ」なのだとか!!
ご両親ともに働かれていたので、代わりに料理を作ってくれていたのでしょう。
家族全員の応援歌
祖父母の助けもあった子育てでしたが、ご両親も、山口尚秀選手も幼い頃から辛い思いをしてきたことがたくさんありました。
自閉症という障がいがある山口選手は、母親の由美さんによれば、もともとこだわりが強いことに加えて他人とのコミュニケーションや団体行動が苦手な子どもだったという。
そんなご家族には応援歌があります。
個性を開花させればいいという、SMAPの代表曲です!
「いつも聞きながら泣いていました。
“この子、どうなるんだろう?”と思った時に励まされて」
と母・由美さんは振り返る。
この曲に励まされ、祖父母にも助けられ、家族で愛情たっぷりに山口尚秀選手を支えてこられたのでしょう。
いつも、父・母・姉で交代して、練習場まで山口尚秀選手の送り迎えもしてきました。
そのおかげで、世界記録を保持し、東京パラリンピックでの金メダル獲得につながったのだと思います!
しかし、その裏で、ご両親は複雑な思いも抱えているようなのです。
「この子にはこの子なりのペースがあるというのが子育てのモットー。
なのに今は全く違うことをしている。
本当はのんびり屋さんなのに、いろんなことに追い立てられて…」
外側から見れば、世界記録や、パラリンピックでの金メダルはただただ素晴らしいもの。
ですが、競技となると当然つきまとうのは、順位・記録です。
そう願うご両親。
さまざまな葛藤はあるものの、そんなご家族に支えられてこそ、山口尚秀選手らしく、競技ができているのかもしれません。
山口尚秀の出身や生い立ちは?
山口尚秀選手の出身は愛媛県今治市です。
3歳の時に、知的障がいをともなう自閉症だと診断されました。
元々、保育園では知的障がいのクラスに通っており、その時に正式に診断をされたそうです。
【自閉症とは】
対人関係が苦手・強いこだわりといった特徴をもつ発達障害の一つです。近年では、早ければ1歳半の乳幼児健康診査でその可能性を指摘されることがあります。
引用元:すまいるナビゲーター
小学校から高校まで特別支援学校へ
山口尚秀選手は、小学校から高校まで、愛媛県今治市にある、今治特別支援学校に通われました。
コミュニケーションや、団体行動が苦手だった山口尚秀選手。
地元の学校ではなく、少人数で一人一人の特性に応じた支援が受けられ、よい面を伸ばすことを教育理念としている特別支援学校を小学校から高校まで選択した。
自閉症のお子さんでも、公立の学校などで、普通の学級に通うことを選ぶご家庭もありますが、ご両親は、山口尚秀選手の性格などを考えて、小学校から特別支援学校を選択しました。
小学校4年生の頃からスイミングスクールに通い始めて、高校1年生のときには愛媛県代表として全国障がい者スポーツ大会に出場するまでになりました。
※山口尚秀選手と水泳の出会いについては、後ほど詳しくお伝えします!!
そのような中でも、特別支援学校で学校生活を送る中で、
そう、悩むようになったという山口尚秀選手。
「どうして僕だけ普通の学校に通えないの?」
「(知的障害者の)手帳がない人生を歩みたかった」
由美さん(母)は
「自分とは何かを悩んでいた。わかってあげられないのが苦しかった」
と打ち明ける。
その悩みを救ってくれたのが水泳でした。
2016年・高校1年の時に出場した全国障がい者スポーツ大会に出場後、能力の高さを発揮して、パラ競泳を本格的に目指し始めました。
その後は、
など、素晴らしすぎる戦績をたたきだしています。
東京パラリンピック第6日は29日、競泳が行われ、男子100メートル平泳ぎ(知的障害)で山口尚秀(四国ガス)が優勝した。今大会で日本勢3個目の金メダル。@paralympic_jpchttps://t.co/UGXRHAvG9E pic.twitter.com/7rKVrO9u7J
— Arab News Japan (@ArabNewsjp) August 29, 2021
しかし、ここまで来るのには挫折や、苦悩の連続だったといいます。
それでもそれを乗り越えて、ここまでくるのは、本当にすごいことですよね。
山口尚秀の水泳との出会い
数々の大会で、素晴らしい結果を残している山口尚秀選手。
どのようにして水泳に出会ったのでしょうか。
水泳との出会いは3歳
山口尚秀選手と水泳との最初の出会いは、自閉症と診断された3歳の頃。
先ほどお伝えしたように、祖父母に連れられて行った健康施設でした。
「最初は潜ったり、手で水鉄砲作ったりするぐらいなので、本格的に水泳をやったわけではなかったんですけど、水と触れ合った結果によって、今の自分が存在するんだなって」
引用元:YAHOOニュース(2024.2.29付)
自然と泳ぎを覚えたという山口尚秀選手。
水が好きで、もともと水泳の能力もあったのでしょう。
2024年6月のインタビューでも、水泳は自分にとって欠かせない存在だとお話されていました。
「自分にとって水泳は、自分の有する能力を最大限に発揮できる存在であると思います。
得意なことと不得意なことの差が激しい中で、自分の得意なところを伸ばしていきたいと思う意味でも、水泳は欠かせない存在です。」
とハッキリとした口調で答える。
本当に、大好きなものに出会えたのですね!!
小学4年でスイミングスクールへ
スクールに通うようになったのは小学校4年生の頃でした。
隣の市のスイミングスクールに、障がいのある子どもたち専用のクラスができたのです。
「尚秀はもともと水遊びが好きでしたし、水泳は全身を使うのでいい運動になるかなと思ったんです。
また、コーチも明るく包容力があり、尚秀も慕っていました」
当時は週1回のみ、楽しく遊ぶことをメインに通っていました。
まさか、本人も、ご両親も、本格的に世界を目指すとは夢にも思っていませんでした。
転機となった高校1年
転機となったのは高校1年生のとき。
2016年に出場した、障がい者スポーツ大会での泳ぎで才能を認められ、その翌年の日本知的障害者選手権水泳大会に出場することになりました。
しかし、その時に挫折を経験します。
200m自由形に出場しますが、結果は最下位・・・。
途中で泳ぐのをやめてしまい、泣いて取り乱してしまったといいます。
当時のことを母親の由美さんはこう語ってくれた。
~中略~「ただ、良かったのは、その大会にすでに活躍していた中島啓智選手や東海林大選手がいたこと。
同じ障がいがある彼らの泳ぎを見て『全国大会に出るためには、ちゃんと練習しなければならない』と本人も私たちも思ったんです。
それで家に帰って来て『どうする?頑張ってみる?』と聞いてみたところ、本人も『うん、やってみる』と。
その時の挫折が、息子にとっては本当に大きかったのだと思います」
その後は、自宅から近い今治市のスイミングスクールの「選手コース」に受け入れをお願いしました。
ここでは、今までと違い、苦しい練習が待っていました。
最初は、週2~3回通うのがやっとでしたが、そのうち、週6回練習するように!
その後は、コーチの異動で、今治市にある、瀬戸内温泉スイミングスクールに移り、2024年現在も、そちらで練習をしているそうです。
この投稿をInstagramで見る
大変なこともたくさんある中で、努力が実を結び、素晴らしい戦績を残すようになりました。
コロナ禍と祖父の死を乗り越えて
挫折を経験しても、懸命に練習を続けてきた山口尚秀選手。
さらなる試練が与えられます。
下記の戦績の表を見るとわかるように、2020年まるっと試合がありません。
ふさぎ込み、練習を休みがちになったこともありました。
それだけではなく、
さらに落ち込み、練習がまったくできなかったことも。
そんな山口尚秀選手を救ったのは、コーチの一言でした。
「そんな態度で金メダルなんかとれるのか」。
普段は褒めて伸ばすコーチからの 叱責 に、ハッとした表情を見せた。
翌日からまじめに練習に取り組むようになった。
そこから練習を重ねて、続けて素晴らしい結果を残されています。
ということで、東京パラリンピックの前の試合も含め、その努力の結果を簡単にまとめてみました!!
2019年・2月 | ワールドシリーズ・メルボルン大会 100m平泳ぎ |
2位 |
2019年・5月 | ワールドシリーズ・シンガポール大会 100m平泳ぎ |
3位 |
2019年・9月 | 世界選手権 100m平泳ぎ |
世界記録 1位 |
2021年・8月 | 東京パラリンピック 100m平泳ぎ |
世界記録更新 金メダル |
2022年・6月 | 世界選手権 100m平泳ぎ |
1位 2大会連続 |
2023年・8月 | 世界選手権 100m平泳ぎ |
1位 3大会連続 |
2023年・10月 | 杭州アジパラ競技大会 100m平泳ぎ |
1位 大会新記録 |
同大会 100m背泳ぎ |
1位 大会新記録・日本新記録 |
|
同大会 200m個人メドレー |
1位 大会新記録・日本新記録 |
|
同大会 混合フリーリレー |
1位 アジア新記録・日本新記録 大会新記録 |
今日夕方6時15分~#Nスタえひめ
㊗パリ パラリンピック内定!✨👏
今治市在住の山口尚秀選手が
イギリスで開催されている世界選手権、100メートル平泳ぎに出場し、1分37秒71の大会新記録で優勝!!🥇大会3連覇を達成しました!🏊
インタビュー等たっぷりお伝えします✨✨ pic.twitter.com/LsqEuOBElh
— あいテレビ🍊「せーのっ!」で1歩踏み出そう! (@itv6_official) August 3, 2023
本当に素晴らしい戦績の数々です。
周りの人たちの支えもあり、コロナ禍・祖父の死を乗り越えて掴んだ東京オリンピックでの金メダル。
今後も期待して、温かく応援したいですね。
山口尚秀のプロフィール
こちらでは、山口尚秀選手のプロフィールをご紹介します。
山口尚秀選手の「尚秀」という名前。
この名前には、偉業を成し遂げた2人のアスリートの名前が由来となっているのです。
まずひとりは、山口尚秀選手が生まれた2000年のシドニーオリンピックで、金メダルを獲得された高橋尚子さん!
そして、同じ頃、プロ野球の読売巨人にて4番を打っていた松井秀喜さん!
ご両親は、素敵なお名前を考えられましたね。
山口尚秀選手の身長は187cm・足のサイズはなんと30cm!!
ひれのような大きな足を活かして力強いキックから生まれる推進力が武器です。
パラ競泳 山口尚秀 自身の世界記録迫る「パリで金と記録更新」https://t.co/OqWp8JoS0O #nhk_news
— NHKニュース (@nhk_news) June 30, 2024
氏名 | 山口尚秀 (やまぐち なおひで) |
生年月日 | 2000年10月28日 (2024年10月の誕生日で24歳) |
出身 | 愛媛県今治市 |
身長 | 187cm |
体重 | 85kg |
足のサイズ | 30cm |
出身校 | 愛媛県立今治特別支援学校 2007年4月~2019年3月 (小学校1年生~高校3年生) |
所属 | 四国ガス (2019年12月~) |
趣味 | YouTube鑑賞(料理・スポーツ) |
休日の過ごし方 | ラーメン・うどん巡り |
山口尚秀選手は、高校を卒業後に今治市役所に勤務しますが、さらに練習に打ち込みたいと、2019年12月から、四国ガスに所属しています。
自分の世界に入り込み、家ではほとんど話さないこともあるという山口尚秀選手。
それでも、取材やインタビューでは少しずつ言葉数が増え、立派に話ができるようになっています。
東京パラリンピックの競泳男子100メートル平泳ぎ(知的障害)で金メダルを獲得した山口尚秀(四国ガス)が1日、東京都内で記者会見しました。(代表撮影) 記事→https://t.co/DHvUxb1nId #東京パラリンピック #山口尚秀 pic.twitter.com/N8Xl5zmkwN
— 時事通信映像ニュース (@jiji_images) September 1, 2021
また、障がいのことで悪く言われることもあり、辛い思いもたくさんしてきました。
「自分のように障がいがあっても、ここまでできる、可能性があるということを証明したいんです。
そして障がいのある人もない人も一緒になることができる社会を実現できたらなと思っています。」
引用元::SPORTRAIT(2020.2月付)
自分自身をしっかりと持った、力強いメッセージだと思います。
山口尚秀選手に勇気づけられる人、元気づけられる人もたくさんいることでしょう。
山口尚秀選手はパリパラリンピックで2連覇を目指します。
温かく見守り、応援したいですね。
まとめ
今回の記事では、水泳男子100m平泳ぎ/SB14(知的障がい)の世界記録保持者である、パラ競泳選手・山口尚秀選手についてお伝えしました。
愛媛県今治市出身の山口尚秀選手は、父・母・姉の4人家族です。
3歳のときに、知的障がいをともなう自閉症だと診断され、ショックを受けて悩むご両親を励ましたのは祖父母でした。
山口尚秀選手を健康施設に連れていき、そこで自然と泳ぎを覚えます。
それが水泳との最初の出会いでした。
その後、小学校から高校まで今治特別支援学校に通い、小学校4年生でスイミングスクールへ、高校1年生の時に本格的にパラ競泳を目指しました。
さまざまな挫折・苦悩を乗り越え、
2大会連続での世界選手権の優勝・東京パラリンピックでの金メダルなど、数々の素晴らしい結果を残しています。
パリパラリンピック2024でもメダルが期待されます!!
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント